昨年、実家で飼っていた猫のまるちゃんが10歳で急逝しました。
前日まで元気に走り回っていたので、母から連絡があったときはなかなか現実を受け止められませんでした。
まるちゃんが1番懐いていた父のショックは非常に大きく、その日な仕事にも行けず、かといってまるちゃんの亡骸に近寄ることもできずに寝込んでしまうほど。
誰もがまるちゃんとお別れすると想像もしていなかった状況の中で、右往左往しながら家族で協力をしてなんとか葬儀を行うことができました。
我が家で飼っているむぎちゃんはまだまだ若い猫ですが、お別れは必ず来るもの。
後悔しないお見送りをするためにも、まるちゃんが体験させてくれた「猫のお葬式」についてまとめたいと思います。
読んで辛くなりそうな人は注意してにゃ
火葬場の決め方
猫のお葬式の方法は大きく分けて4つあります。
- 立会個別火葬:人間の火葬と同じような流れで行う
- 一任個別火葬:火葬に立ち会わず業者に一任する。遺骨は引き取れる
- 合同火葬:他のペットと合同で火葬する。遺骨は戻らない
- 訪問火葬:火葬車が自宅周辺に来て行う
まるちゃんの火葬は亡くなって3日後にペット専門火葬業者の立会個別火葬で行いました。
流れは「火葬場に集合」⇒「ご焼香」⇒「お別れ」⇒「火葬」⇒「ご収骨」。
僧侶を招いて読経を行ってもらえるプランもあったのですが、家族だけで静かにお別れをしたかったため頼みませんでした。
ちなみに、最初母は別の火葬場を手配していました。
その時のやり取りがこちら。
ネットで「ペット 火葬」と検索して出てきた公営火葬場に電話を掛けたようです。
そこはまるちゃんが亡くなってから5日後しか予約が空いておらず、ビニール袋に包んで段ボールに入れて連れてくるように指示されたとのこと。
母から連絡が来たときはとてもびっくりして、「まるちゃんをビニールに包むことには非常に抵抗がある、最期まで家族として弔いたい、冷たくなったまるちゃんを1日でも早く暖かい世界に送ってあげたい」という気持ちが一気に頭の中を駆け巡りました。
母も同じ気持ちではあったのですが、気が動転して深く考えられないまま予約を入れたようです。
私はまるちゃんとは離れて生活していてまだ母より冷静に考える余裕があったため、改めて火葬業者を探して予約を入れ直しました。
葬儀までにやったこと
遺体の安置
まるちゃんが亡くなったのは夏の暑い日でした。
葬儀まで3日あったため、遺体が傷まないように終日エアコンをガンガンにつけていました。
また、保冷剤や凍らせたペットボトルで体を冷やしてタオルで包んでいたのですが、どうしても氷が溶けてしまうため頻繁に交換する必要がありました。
結露なども生じるため、遺体の下にはペット用のトイレシートを敷きました。
それ以外には、お花とこれまでの写真、ご飯やチュールをたくさん用意して周りに置いてあげていました。
実家にはまるちゃん以外にみーちゃんという猫がいて、普段はまるちゃんとつかず離れずの距離感で過ごしていたのですが、まるちゃんが亡くなってからはぴったりと寄り添って過ごしていました。
足型を取る
火葬前に形見を残せたらと思い、紙粘土とインクで足型を取りました。
今は、ぺたっちというペットの足型を取る専用のキットもあるようです。
ヒゲや毛、爪をカットする
ヒゲや毛、爪も少しカットして形見として取ってあります。
毛を形見として残しておくことを「遺毛」と呼ぶそうです。
ただ、毛はダニやカビ、湿気に弱いので、傷まないよう保存には注意が必要です。
我が家では小分けの袋に入れたのを一つの箱にまとめ、風通しのいい場所に写真と共に置いています。
葬儀当日
服装
基本的に華美でない普段着であれば大丈夫なようです。
むしろいつも通りの服装でお見送りしたいと思い、喪服は選びませんでした。
ただ、最後のお見送りや収骨の際、床に膝をついたり煤けた台に触ったりする場合がありますので、なるべく暗めの色で汚れても構わない服が良いかと思います。
また、ペットの葬儀のため、毛皮など動物性の衣服も避けた方が無難です。
持ち物
当日必要なものはこちら
- ハンカチ
- お供物(おやつ、手紙、お花など)
- 写真(遺影)
- ご遺体
- 支払いのためのお金
- (必要な人は数珠)
火葬時には、おやつや手紙、色の薄いお花を一緒に棺に入れることができました。
色の濃い花や衣服などはお骨に色が移ってしまうことがあるため入れない方がいいとのこと。
骨壷やカバーに関しては、ペット専門霊園や火葬場ではその場で購入できることが多いようです。
ちなみに、母は「念の為」とか言って茶壷を事前に用意していました。
「茶壷じゃダメだろう」と正直思ったものの、否定すると母も余計混乱すると思って何も言いませんでした。
この時購入した茶壷は当然ながらお蔵入りです。
火葬場に集合
当日はタオルと保冷剤で包んだまるちゃんを段ボールに入れて火葬場に向かいました。
葬儀までに3日あって気持ちの整理ができたのか、思ったより父も母も元気そうな表情で一安心。
火葬場に着くと入り口でスタッフがすぐに出迎えてくれたので、まるちゃんを渡しました。
ご焼香
入り口を入るとすぐに簡易な祭壇があり、持参した写真を立てかけられました。
準備が整ったらお焼香をするのですが、宗派で決まった回数がない家庭は一度行えば良いようです。
この時点で涙腺は大決壊です。
最期のお別れ
お焼香後はまるちゃんを火葬炉の台に移し、お供物のお花やおやつを周りに置いてあげました。
いよいよ最期のお別れの時です。
もう、頭を撫でることもお腹に顔を埋めることも綺麗なお目目を見ることもできません。
一緒に過ごした10年が全て灰になり、骨だけになってしまうのです。
火葬炉に1匹で入っていくまるちゃんを見送り、ロックがかかる音を聞くと、もうあの可愛いまるちゃんには2度と会えないのだと絶望した気持ちになりました。
なかなかまるちゃんから離れられずにいる私たち家族を暖かく見守ってくれたスタッフの方には感謝しかありません。
火葬
火葬の間は応接室のような部屋で待つことができます。
時間は1時間ほど。
部屋には骨壷やカバーが展示されていたので、待つ間にどれを購入するか家族と相談して決めました。
他には、最近火葬されたペットの写真なども展示されていました。
スタッフの話によると、まるちゃんが亡くなった2022年は10歳くらいの猫の突然死が多かったとのこと。
まるちゃんの亡くなった原因は分からないままですが、何かできたことはあったのではないかと後悔の気持ちでいっぱいです。
ご収骨
火葬炉から出てきたまるちゃんはとても小さくなっていました。
ご収骨時にスタッフが「ここは頭部でここは尻尾で…」と詳しく説明してくれます。
面白いと言ったら不謹慎ですが、コロコロとした青いものが結構あったのでスタッフになんなのか聞いてみたら「うんちです」とのこと。
うんちって残るんですね。私も火葬されたときうんちが残るのかと思うと少し恥ずかしい気持ちです。
うんちは遺骨と一緒に少しだけ骨壷に入れました。
会計
火葬にかかった費用はこちら
- 火葬代…24,000円
- 時間外…5,500円
- 骨壷代…2,000円
- カバー…3,000円
時間外料金に関しては、当日予約がいっぱいだったところ、母が事情を話したら朝早い時間ならと受けてくださったのです。
後悔のないお見送りができたのは、親切な火葬業者さんのおかげです。
葬儀後
遺骨は納骨せずに自宅に持ち帰りました。
まるちゃんを1番可愛がっていた父は一年半経った今でも骨壷を抱きながら泣くことがあるようです。
大切な存在を失った悲しみの整理にはやはり時間がかかるものですね。
まとめ
今回は猫のお葬式について紹介しました。
大切な家族とのお別れは考えたくはないですが、必ずきてしまうもの。
その時後悔しないよう、少しだけでも心の準備をしておくと良いかもしれません。
コメント